風力発電などの活用が進むオーストラリア南部で、世界最大規模の蓄電施設が1日から稼働を始め、再生可能エネルギーで課題となっている電力の安定供給にどこまでつながるかが注目されます。
この施設は、南オーストラリアの州政府が新しいエネルギー政策の一環として発注し、アメリカの電気自動車メーカー テスラが建設したもので、世界最大規模の蓄電施設になります。
1日から正式に稼働し始めたことを受けて、現地では記念式典が開かれ、南オーストラリア州のウェザリル首相は「世界的に見ても、再生可能エネルギーの分野で先進的に取り組んでいることを誇りに思う」と述べました。
南オーストラリア州は、風力発電などの再生可能エネルギーが発電量全体のおよそ50%を占めていますが、去年9月には、州の全域が停電するなど、電力の安定供給が課題になっています。
このため、蓄電施設は、近くにある風力発電所の余った電気を蓄え、地元のテレビ局によりますと、3万世帯に対して1時間ほど供給できる非常用の電源として利用されるということです。
再生可能エネルギーの普及にあたっては、発電量が不安定なことがネックになっていることから、大規模な蓄電施設によって電力の安定供給にどこまでつながるかが注目されます。
-- NHK NEWS WEB