福岡市は、弾道ミサイルが市内上空を通過した場合を想定して、携帯電話などに緊急速報メールを配信したり、地下鉄の運行を一時停止したりする訓練を行いました。
訓練は、福岡市が北朝鮮をめぐる情勢を踏まえて行ったもので、弾道ミサイルが市内上空を通過した場合を想定して行われ、午前10時に市内にいる人に対して、「ミサイルが発射されたもようです。建物の中、または地下に避難してください」という文面の緊急速報メールが一斉に配信されました。
福岡市地下鉄では、午前10時から数分間、空港線などでこの時間帯に運行しているおよそ20本の列車を最寄りの駅に停車させました。
空港線の赤坂駅では、緊急速報メールを受信した直後に運輸指令の指示を受けた列車が停車し、構内では訓練を伝えるアナウンスが流されました。運転手は停車したことや異常がないことを運輸指令に伝え、運輸指令はすべての列車が安全に停車したことを確認してから運転再開を指示しました。
福岡市によりますと、この訓練で地下鉄は3分から4分ほどの遅れが出たということです。
地下鉄の利用者の会社員の女性は「ミサイル発射と聞くとやはり怖いので、こういう訓練をやってもらうとありがたいです」と話していました。
一方、福岡市中央区の天神中央公園では、近くの会社員や市の職員など50人余りが避難訓練を行い、緊急速報メールを受信した参加者たちはすぐに小走りで近くの地下通路に避難し、両手で頭を抱えてしゃがみ込むなどして待機しました。
訓練に参加した70歳の男性は「地震のときは机の下に逃げると覚えていたが、こういう場合は地下に行くほうがいいと学んだ。非常にいい経験になった」と話していました。
-- NHK NEWS WEB