ハリウッドの大物プロデューサーによるセクハラ疑惑が報じられたのをきっかけに、セクハラの被害を公表する動きが世界で広がる中、自身も被害を公表したハリウッド女優のジェシカ・チャステインさんがNHKのインタビューに応じ、「同じ考えを持つ人々が集まることで変化は起こせる」と述べ、今こそ男性優位の社会を変えていく必要があると訴えました。
ハリウッド女優のジェシカ・チャステインさんは、映画のPRのため来日し、先週、都内でNHKのインタビューに応じました。
セクハラ疑惑が広がっていることについて、チャステインさんは「この問題は、映画界だけに限らず、政界や金融業界にも長きにわたって存在していた」と述べ、実態が見えない状況が長期間続いていたとの考えを示しました。
セクハラ疑惑が報じられたあと、チャステインさん自身も、あるプロデューサーから体を触られた経験があることを明らかにしています。
チャステインさんは、被害を公表した理由について、「私自身、女性が同等に扱われない業界に身を置き、とても不愉快に感じる状況が何度もあったが、それがこの業界では当たり前なのだと思っていた。しかし、女性たちが受けた被害の実態を知り、自分が黙ったままで実態を伝えないことは、悪事がはびこる状況に加担することになると思った」と語りました。
そして、こうした被害を二度と起こさないためには、「権力を使って女性を犠牲にしてきた一部の男性がのさばってきたが、こうした行為は許されないとはっきりさせることが重要だ。アメリカは、男性に支配された社会で、女性が大統領になったこともない。大企業の役員も女性は少なく、この現状は、何が何でも変えなければならない」と述べて、今こそ男性優位の社会を変えていく必要があると訴えました。
そのうえで、「同じ考えを持つ人々が集まることで変化は起こせる。被害を訴え出た人たちが守られ、勇気がたたえられるよう、できるかぎりのことをしたい。理想としたいのは、性別や人種などにかかわらず、誰もが平等な機会をもち、平等な待遇を受け、指導的地位につける世の中だ」として、すべての人が対等に扱われる社会を築けるよう活動を進めていく考えを明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB