政府は、来年度の税制改正で検討している、賃上げした企業に対する税の優遇措置の概要を固めました。3%以上賃上げし、先端技術への投資などを行う企業については、法人税などの実質的な税負担の割合を20%程度とする案を軸に、与党と詰めの調整を進めることにしています。
それによりますと、大企業については、3%以上賃上げし、一定の基準を上回る設備投資を国内で行った場合、賃上げにかかった費用の一部を法人税額から差し引けるようにします。
また就職後に大学で専門知識を学び直す「リカレント教育」など人材育成の投資に積極的な企業は、さらに税の負担を軽くして法人税などの実質的な税負担の割合を25%程度まで引き下げます。
これに加えて、3%以上の賃上げと同時に、loTなどの先端技術に投資し生産性の向上に取り組む企業には、投資額の一部を法人税額から差し引く新たな措置も設けます。
こうした税の優遇措置をすべて受けた場合、法人税などの実質的な税負担の割合を20%程度まで下げる方針です。
逆に、賃上げや設備投資が一定の基準を下回る企業には、企業の研究開発を後押しする減税の措置などを停止して、実質的な増税になるようにする方針です。
政府は、これによって企業に賃上げや設備投資を促す考えで、この案を軸に与党と詰めの調整を行うことにしています。
-- NHK NEWS WEB