世界トップクラスの性能のスーパーコンピューターを開発したベンチャー企業をめぐる助成金の不正受給事件で、逮捕された社長はみずからが役員を務める別の会社など複数の外注先に業務を委託したように装って事業費を水増しし、助成金をだまし取っていた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。
スーパーコンピューターの開発を手がける東京のベンチャー企業「PEZY Computing」の社長、齊藤元章容疑者(49)ら2人は、経済産業省が所管するNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構から、ベンチャー企業の技術開発を支援する助成金4億3000万円余りをだまし取った疑いで逮捕されました。
この制度は、実際にかかった事業費の3分の2を上限に助成金が支払われる仕組みになっていますが、関係者によりますと、齊藤社長はみずからが役員を務める高性能メモリーの開発会社など、複数の外注先に業務を委託したように装い、事業費を水増ししていた疑いがあるということです。
会社は助成金の一部を先払いで受け取った後、事業費を水増ししたうその研究実績の報告書をNEDOに提出し、総額で助成金の上限額に近い4億9900万円を受け取っていました。東京地検特捜部は社長らが上限額の助成金を受け取るために事業費を水増ししたと見て実態解明を進めています。
-- NHK NEWS WEB