冷え込みが強まる中、入浴時の温度差で血圧が急激に変化し、危険な状態に陥る「ヒートショック」を防ごうと、家庭でできる対策を紹介し注意を呼びかける取り組みが各地で進んでいます。
「ヒートショック」は、入浴の際に、脱衣所や湯船の温度差で血圧が急激に変化し、心筋梗塞や脳梗塞など危険な状態に陥るものです。
冷え込みが強まる中、注意を呼びかける取り組みが各地で進んでいて、千葉市美浜区にあるガス機器メーカーのモデルルームでは、家庭でできる対策を客に紹介しています。
ヒートショックに詳しく、メーカーに協力している東京都市大学の早坂信哉教授によりますと、家庭での対策で重要なのは、温度差をできるだけ小さくすることだといいます。脱衣所の温度を20度前後に保ち、浴室に入る前に数分ほどシャワーからお湯を出して、暖めておくとよいということです。
また熱い湯船にいきなりつかるのではなく、かけ湯で体を温め、湯船の温度は40度程度までにして、追い炊きや差し湯であとから温度を上げるよう呼びかけています。
年間5000人近くに上る入浴中の事故での死者の大半は、ヒートショックが原因と見られていて、冷え込みが強まるこれからの時期、特に注意が必要です。
早坂教授は「小さなことで防げるので、対策を実践してほしい。また家族の入浴がふだんより長いと感じたら、ショックを起こしていないか声をかけてほしい」と呼びかけています。
-- NHK NEWS WEB