来年度の税制改正の焦点となっている所得税の控除の見直しをめぐり、自民党税制調査会は、中間層の増税となり経済に悪影響を与えるとした公明党の主張に配慮し、増税の対象を、年収850万円を超える会社員に絞り込む案で調整を進める方針を固めました。
所得税の控除の見直しをめぐり、政府・自民党は、会社員を対象とした「給与所得控除」を一律10万円縮小するとともに、年収800万円以上の人は上限を190万円で頭打ちとする一方、すべての納税者が対象になる「基礎控除」は、今より10万円引き上げ、原則として、年収800万円を超える会社員を増税とすることで調整してきました。
これに対し、7日の公明党の税制調査会の会合では「中間層を直撃するものだ」「消費を冷え込ませ、デフレ脱却に悪影響を与える」などと反対する意見が相次ぎ、政府・自民党に対し、増税の対象を絞り込むよう求めていくことを確認しました。
このため、自民党税制調査会は「給与所得控除」の上限を引き上げ、年収850万円以上の人を、195万円で頭打ちとすることで、増税となる対象を、原則として年収850万円を超える会社員に絞り込む案で、公明党と調整を進める方針を固めました。
この案で決定すれば、年収900万円では今よりも年1万5000円程度、950万円では年3万円程度、1000万円では年4万5000円程度の増税になる見通しです。
自民党税制調査会は、来週14日の税制改正大綱の取りまとめを目指し、8日、公明党と与党税制協議会を開くなどして、調整を急ぐことにしています。
-- NHK NEWS WEB