東京・世田谷区で会社員の一家4人が殺害された事件から17年になるのを前に、被害者の遺族が都内で講演し、事件の早期解決を訴えるとともに、「亡くなった人を思い、悲しむだけでなく、生きる力に変えていくことが大切だ」と述べました。
平成12年の大みそか、東京・世田谷区上祖師谷の住宅で、会社員の宮沢みきおさん(当時44)、妻の泰子さん(当時41)、長女のにいなちゃん(当時8)、長男の礼くん(当時6)の一家4人が殺害されているのが見つかりました。
事件は未解決のままで、発生からまもなく17年になるのを前に、泰子さんの姉の入江杏さん(60)が9日、都内の大学で講演しました。
入江さんは「にいなちゃんや礼くんが生きていたらどんなふうに成長していただろうと思うと胸が痛くなる。17年間、犯人も動機もわからず、宙ぶらりんな苦しみの中にいる」と話し、事件の早期解決を訴えました。また、入江さんは「愛する家族は二度と帰ってこないが、今も私に大切なことを教えてくれている。亡くなった人を思い、悲しむだけでなく、生きる力に変えていくことが大切だ」と述べました。
講演を聞いた58歳の女性は「犯罪被害者の遺族がさまざまな心境の変遷をへて今を生きていることを知り、衝撃を受けました」と話していました。
-- NHK NEWS WEB