リニア中央新幹線に関連する建設工事の入札をめぐり大手ゼネコン大林組が偽計業務妨害の疑いで捜索を受けた事件で、不正の疑いがあるのは、去年、大林組などがおよそ90億円で受注した名古屋市内の非常口の新設工事の入札だったことが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部はすでに大林組の土木担当の副社長などから任意で事情を聴いていて、巨大プロジェクトの建設工事をめぐる入札の実態解明を進めています。
リニア中央新幹線は東京・大阪間を1時間余りで結ぶ総工費およそ9兆円の巨大プロジェクトで、東京地検特捜部は、関連する建設工事の入札で不正が行われた疑いがあるとして8日、大手ゼネコン大林組の東京・港区の本社などを偽計業務妨害の疑いで捜索し、強制捜査に乗り出しました。
大林組はJR東海からリニア中央新幹線の複数の建設工事を受注していますが、不正の疑いがあるのはこのうち去年4月に大林組などの共同企業体がおよそ90億円で受注した名古屋市内の非常口の新設工事だったことが関係者への取材でわかりました。
この工事は名古屋城の南側の敷地で深さ90メートル、直径40メートルの縦穴を掘削し、リニア中央新幹線が走る地下のトンネルから地上に避難するための非常口を新設するもので、再来年9月末までの完成を目指しています。
関係者によりますと、特捜部はすでに大林組の土木担当の副社長などからも任意で事情を聴いているということで、巨大プロジェクトの建設工事をめぐる入札の実態解明を進めています。
-- NHK NEWS WEB