東京都の小池知事は、東京オリンピック・パラリンピックのバレーボール会場について、「有明アリーナ」を新設することを表明しました。これにより、小池知事が就任以降、取り組んできた東京大会の3つの競技会場の見直しは、コストを削減したうえで、いずれも当初の計画と同じ場所で整備することで節目を迎えました。
4年後の東京大会の競技会場をめぐってはボート・カヌー、水泳、バレーボールの3つの会場について東京都の調査チームが整備費がかかりすぎるとして見直しを提案し、先月29日、東京都、政府、組織委員会、それにIOC=国際オリンピック委員会による4者協議が行われた結果、ボート・カヌーと水泳の会場はコストを削減したうえで、いずれも当初の計画と同じ場所で整備することを決めています。
残るバレーボール会場をめぐっては、競技団体が求めていたように東京・江東区に「有明アリーナ」を新設するか、既存の「横浜アリーナ」を活用するかどうかが検討されていましたが、小池知事の意向で結論が先送りされていました。
小池知事は、16日の記者会見でバレーボール会場について、横浜アリーナの活用を見送り、有明アリーナを新設することを表明しました。
また、有明アリーナの整備費用は404億円から339億円程度とおよそ65億円削減できるという見通しを示しました。
さらに施設の整備方針について「会場だけでなく周辺地域を含めた『点から面へ』という視点と民間の創意工夫を活用する『官から民へ』という視点を取り入れるなど発想の転換が必要だ」と述べ、会場を含めた地域全体で開発を進めることや▽施設の運営権を民間企業に売却するなどして運営の効率化を図る考えを明らかにしました。
そのうえで、今回の見直し議論を振り返り、小池知事は「コストをただ安くするのではない。会場はあっちだ、こっちだと時間を浪費したとも思っていない。むしろここにたどり着くことによって、都民の皆さんとの一体感が生まれたのではないか」と述べました。
小池知事は今月21日に改めて開かれる、4者協議のトップ級会議でこうした方針を説明することにしています。これにより、小池知事がことし8月の就任以降、取り組んできた東京大会の3つの競技会場の見直しはいずれも当初の計画と同じ場所で整備することで節目を迎えました。
-- NHK NEWS WEB