リニア中央新幹線の建設工事の入札を巡り、大手ゼネコン「大林組」が偽計業務妨害の疑いで捜索を受けた事件で、名古屋市内の非常口の新設工事を発注したJR東海の担当社員が工事費に関する情報を大林組側に漏らしていた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。
東京地検特捜部は、JR東海の担当社員からも任意で事情を聴くなどして入札の詳しい経緯の解明を進めています。
JR東海が発注した総工費およそ9兆円の巨大プロジェクト、リニア中央新幹線の建設工事を巡っては、大手ゼネコン「大林組」などが去年4月に受注した名古屋市内の非常口の新設工事の入札で不正が行われた疑いがあるとして東京地検特捜部は偽計業務妨害の疑いで「大林組」の本社などを捜索し捜査を進めています。
この非常口の新設工事の入札は、広く参加企業を募り、技術提案や工事費の見積価格などを総合的に評価する方法で行われましたが、この工事を発注したJR東海の担当社員が業者選定の過程で工事費に関する情報を大林組側に漏らしていた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。
関係者によりますと大林組はこうした情報をもとに入札に参加したほかの企業に受注を見送るよう働きかける受注調整をしていた疑いがあるということです。
特捜部はJR東海の担当社員からも任意で事情を聴くなどして入札の詳しい経緯の解明を進めています。
NHKの取材に対しJR東海は「捜査に関わるためコメントできない」としています。
一方、関係者によりますと大林組の幹部は特捜部の調べに対して「ほかの会社に不正な働きかけはしていない」と説明しているということです。
-- NHK NEWS WEB