日本の主要な漁場の1つ「大和堆」に比較的近く、国内有数のいか漁の拠点となっている石川県能登町にある小木港のスルメイカの水揚げ量は、去年の同じ時期に比べ500トン減っていることがわかりました。漁協によりますと北朝鮮の木造船が多数確認されたため、日本の漁船は今シーズン、この海域でほとんど操業できなかったということです。
石川県能登町にある小木港は、能登半島沖300キロにある好漁場の「大和堆」に比較的近い立地を生かして、函館や青森の八戸と並ぶ国内有数のいか漁の拠点となっています。
スルメイカ漁は毎年6月から翌年の1月まで行われますが、石川県漁業協同組合小木支所によりますと、先月末の段階で今シーズンの水揚げ量は2600トンと去年の同じ時期に比べ500トン少なくなっています。
「大和堆」は日本の排他的経済水域にありますが、北朝鮮の木造船数百隻が操業する様子が確認されていて、衝突したり網が絡まったりするおそれがあるため、日本の漁船は今シーズン、この海域でほとんど操業できなかったということです。
このためスルメイカの卸売価格は1ケース8キロ入り5000円と例年の1.5倍に値上がりしていて、地元の加工会社は商品価格を値上げせざるをえないということです。
水産加工会社を営む浅井和平社長は「価格の上昇で注文は半分以下に落ち込んでいる。この状況が続けばイカ専門では立ち行かなくなる」と話していました。
-- NHK NEWS WEB