安倍総理大臣は、ロシアのプーチン大統領との2日間にわたる日ロ首脳会談を終えた後、共同記者会見に臨み、焦点となっていた北方領土での共同経済活動について、「平和条約締結に向けた重要な一歩」として、四島を対象に行うための特別な制度を設ける交渉を開始することで合意したことを明らかにしました。また、両首脳は、元島民の自由な往来を可能にするための案を検討することでも一致しました。
安倍総理大臣とロシアのプーチン大統領は、15日安倍総理大臣の地元・山口県長門市で首脳会談を行ったのに続き、16日東京に移動して、総理大臣官邸で2日目の会談を行いました。
そして、会談の終了後、そろって記者会見に臨み、安倍総理大臣は、北方領土問題を含む平和条約交渉について、「戦後71年を経てもなお、日本とロシアの間には平和条約がない。この異常な状態に私たちの世代で終止符を打たなければならない。その強い決意を確認した」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、焦点となっていた北方領土での共同経済活動について、「平和条約締結に向けた重要な一歩」として、四島を対象に行うための特別な制度を設ける交渉を開始することで合意したことを明らかにしました。
そして、安倍総理大臣は、「この共同経済活動は、両国の平和条約に関する立場を害さないという共通認識のもとに進められるもので、日ロ両国にのみ創設されるものだ」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は、北方領土の元島民の平均年齢が81歳を超えていることを踏まえ、人道上の理由から、元島民の自由な往来を可能にするための案を検討することで一致したことも明らかにしました。
また、記者会見に先立って、8項目の経済協力プランをめぐり政府間や企業間で80の合意文書が交わされ、民間を含めた日本側の経済協力は総額で3000億円規模にのぼるということです。
これに関連して、安倍総理大臣は記者会見で、来年、ロシアのウラジオストクで開かれる『東方経済フォーラム』に出席する意向を示したうえで、その際に協力プランの進ちょく状況を確認する考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB