流通大手「イオン」が、週刊文春に掲載された食品に関する記事や見出しで名誉を傷つけられたと訴えた裁判で、東京地方裁判所は文藝春秋に2400万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。
週刊文春は、3年前、三重県の卸売会社が産地を偽装していたコメがイオンで販売された弁当などに使われていたことをめぐって、「『中国猛毒米』偽装イオンの大罪を暴く」などという見出しとともに記事を掲載しました。
これに対して、イオンは「見出しや記事の内容は事実ではない」などとして、1億6500万円の賠償などを求める訴えを起こしました。
16日の判決で東京地方裁判所の澤野芳夫裁判長は、「見出しはイオンのイメージが強調されているが、産地偽装の主体は卸売会社であり、厚生労働省の検査で安全性に問題のあるコメが食用に使われたという事実は確認されていない」などと指摘しました。
そのうえで、イオンが信用を回復するための広告を出すのにかかった費用などの賠償として、2490万円余りの支払いを命じました。
文藝春秋は「広告はイオンの判断で出したもので、当社が負担する理由はない。大企業が報道に圧力をかけることを容認する判決で、すぐに控訴した」というコメントを出しました。
-- NHK NEWS WEB