警察庁の45歳のキャリア職員が、業務を通じて知り合った会社社長の女性と不適切な関係を持ったり、飲食代金を負担させたりしたとして、警察庁は停職1か月の懲戒処分にしました。職員は15日付けで依願退職しました。
懲戒処分を受けたのは、警察庁長官官房付の阿武孝雄警視長(45)です。警察庁によりますと、阿武警視長は業務を通じて知り合ったイベント会社社長の女性と利害関係にあった、去年4月から8月までの間、女性と不適切な関係を持ったほか、その前後の期間を合わせてみずからの飲食代など総額およそ65万円を女性に負担させたということです。
警察庁は、公務員としての信用失墜行為に当たり、利害関係者から接待を受けることなどを禁じた国家公務員の倫理規定に違反するとして、停職1か月の懲戒処分にしました。阿武警視長は15日付けで依願退職しました。
女性の会社は当時、警視庁の交通総務課長だった阿武警視長が選考委員会の委員長を務める、警視庁主催の交通安全イベントを受注していて、NHKが情報公開請求した警視庁の文書によりますと、この会社は5つの業者のうち3番目の点数でしたが、選考委員会による検討の結果、企画が採用されていました。
一方で警察庁は、選考の過程で阿武警視長が女性の会社が受注できるよう便宜を図ったとは言えず、飲食代の負担も便宜の見返りではないと結論づけました。
調査に対して、阿武警視長は「軽率な行為で警察の信用を大きく失墜させた。多大なご迷惑をかけ申し訳ない」と話しているということです。警察庁は「このような事案が発生したことは遺憾です。改めて規律の保持について徹底してまいります」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB