日銀が15日に発表した短観=企業短期経済観測調査では、企業の人手不足感が平成4年以来25年10か月ぶりの水準まで高まり、人手不足が一段と深刻化している実態が浮き彫りになりました。
日銀の短観では、国内のおよそ1万1000社に景気の見方を聞くとともに、従業員の数が「過剰」か「不足」かも尋ねて指数化していて、マイナスが大きくなるほど人手不足だと感じる企業が多いことを示します。
今回の短観では、企業の規模や業種を問わず軒並みマイナス幅が大きくなり、大企業が前回より1ポイント低いマイナス19ポイント、中小企業は2ポイント低いマイナス34ポイントとなりました。
この結果、全体では前回より3ポイント低下してマイナス31ポイントと、平成4年2月の調査以来、25年10か月ぶりの水準まで人手不足感が高まっていることが明らかになりました。
こうした中、企業の間では、人の作業を自動化する産業機械を導入するなど「省力化投資」の動きが広がっていますが、その一方で、人手不足を克服できずに倒産に追い込まれるケースも相次いでいます。
今回の短観で、各企業は人手不足は今後さらに深刻化するとしていて、働く意欲のあるシニア世代や女性らを社会全体としていかに活用していくのかが喫緊の課題となっています。
-- NHK NEWS WEB