死刑が確定した元暴力団会長が、大型詐欺事件をめぐって国会で証人喚問された会社社長の男性を殺害したと告白し、先月、埼玉県内の山林で遺体が見つかった事件で、警視庁が調べた結果、遺体は18年前に行方不明になったこの男性と確認されました。警視庁は殺人の疑いで捜査を進めることにしています。
遺体で見つかったのは、18年前の平成10年に行方がわからなくなった東京・新宿区の不動産会社社長、齋藤衛さん(当時49)です。
警視庁によりますと、齋藤さんをめぐっては、平成15年に前橋市のスナックで客など4人が射殺された事件で、死刑が確定した住吉会系の元暴力団会長、矢野治死刑囚(67)が「首を絞めて殺害した」と告白し、配下の元組員らも遺体の遺棄を証言していました。
警視庁の捜索で先月、埼玉県ときがわ町の山林から白骨化した遺体が見つかり、DNA鑑定の結果、齋藤さんと確認されたということです。
齋藤さんは、当時の参議院議員らが実刑判決を受けた「オレンジ共済組合」の大型詐欺事件に絡む政界工作疑惑をめぐって、平成9年に国会で証人喚問されています。
死体遺棄罪の時効はすでに成立しているとみられ、警視庁は殺人の疑いで捜査を進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB