東京・築地市場の移転先となる豊洲市場の安全対策工事で、東京都が特命随意契約に向け交渉している大手ゼネコンが、ことし夏に都内の工事現場で死亡事故を起こしたとして都の入札の指名停止処分を受けたことがわかりました。都の要綱で原則として入札に参加できない指名停止中の業者が特命随意契約で工事を請け負うことの是非について議論を呼びそうです。
築地市場の移転の前提となる豊洲市場の追加の安全対策工事では、入札の不調が相次いだことから、1件の工事について入札から特定の業者を指定する「特命随意契約」に切り替え交渉を進めています。
この交渉で、都が契約を目指す大手ゼネコン「大成建設」がことし8月、都内のビルの工事現場で足場が崩れて作業員3人が死亡する事故を起こし、都が「社会的に著しい損失を出した」として19日から入札の指名停止処分にしたことがわかりました。
都は指名停止中の業者を原則として入札に参加させないなどとする要綱を設けていますが、「交渉の相手が入札の指名停止になっても直ちに随意契約を制限する規則はない。特命随意契約が可能な案件か厳密に判断してきた」として、豊洲市場の工事の契約に向けた交渉を続ける方針です。
入札の指名停止中の業者が特命随意契約により工事を請け負うことの是非について、議論を呼びそうです。
-- NHK NEWS WEB