世界最大の温室効果ガスの排出国である中国の電力業界に、二酸化炭素の排出枠を取り引きする排出量取引制度が導入され、本格的な運用が始まれば、EU=ヨーロッパ連合を上回り世界最大規模の取引市場になります。
中国政府で経済政策を統括する国家発展改革委員会は19日、記者会見を開き、電力業界を対象に、二酸化炭素の排出枠を取り引きする排出量取引制度を導入したと発表しました。
排出量取引制度は企業が排出できる二酸化炭素の量に上限を設け、過不足分をほかの企業と取り引きできる制度です。世界最大の温室効果ガスの排出国である中国では、制度の対象となる電力関連の企業だけでも年間の排出量の合計が30億トン以上となり、制度の本格的な運用が始まれば取引市場の規模はEUを上回り、世界最大になるとしています。
中国は2030年ごろをピークに二酸化炭素の排出量を減らす目標を掲げていて、今回の制度導入は目標達成に向けた重要な手段になると見られます。
国家発展改革委員会の張勇副主任は記者会見で、「電力業界を突破口に全国的な排出量取引のシステムを始め、段階的に取引市場を整備する」と述べ、今後、電力以外の業種にも制度を拡大していく考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB