アメリカのトランプ政権が、経済政策の柱として公約に掲げてきた税制改革の法案が議会下院で可決されました。法人税率の引き下げなどが盛り込まれた法案は、今週中に成立する見通しで、市場関係者の間では経済成長を後押しすると期待が高まっています。
トランプ政権はレーガン政権以来、およそ30年ぶりの歴史的な減税を行うとして、大規模な税制改革の実施を公約に掲げてきました。
これを受けて、与党・共和党は先週、法人税率を今の35%から21%に引き下げるほか、個人の所得税の最高税率を39.6%から37%に引き下げることなどを盛り込んだ新たな法案をまとめました。
この法案を議会下院が19日、採決した結果、賛成227票、反対203票の賛成多数で可決されました。このあと議会上院でも可決され、今週中に法案は成立する見通しです。
トランプ政権は、来月で発足から1年がたちますが、これまで公約に掲げた重要法案を1つも成立させられていないことから、今回の税制改革をてこに低迷する支持率を回復させたい考えです。
今回の税制改革に対して、市場関係者の間では法人税の大幅な減税が、経済成長を後押しすると期待が高まっています。ただ国民の間では、財政赤字を拡大してまで、企業や富裕層に対して減税する必要はないと反発する意見も多く、トランプ政権の追い風になるのか注目されます。
アメリカの議会下院が税制改革法案を可決したことについて、ホワイトハウスのサンダース報道官は19日の記者会見で、「トランプ大統領は、アメリカの歴史上、最も大規模な減税を届けることになるだろう」と述べ、このあと議会上院でも法案が可決され、税制改革が実現することに自信を示しました。
-- NHK NEWS WEB