新幹線の台車の亀裂や在来線の架線切断など鉄道のトラブルが相次いでいることを受けて、国土交通省は20日、JRや私鉄各社の安全管理の責任者を集めて緊急の会議を開きました。
緊急会議は、相次ぐ鉄道トラブルを受けて国土交通省が開いたもので、JRや私鉄など32社の安全管理の責任者が出席しました。
会議の冒頭、国土交通省の藤井直樹鉄道局長は「安全は鉄道の根幹であり、そのことに改めて思いを致し、必要な対策をしっかりと進めていかなければならない」と述べ、鉄道事業者に対し、安全運行を徹底するよう求めました。
会議はこのあと非公開で行われ、国土交通省から、ベテラン技術者が大量退職する時期を迎えていることや、複数の会社が相互乗り入れする区間の長さがこの30年で2倍以上となったことなど、鉄道を取り巻く状況の急速な変化が報告されました。
また、鉄道各社からは、業務の複雑化などに伴い現場で人手不足感が増しているとか、ベテランの退職で技術や知識の劣化が進んでいるなどの意見が出され、それぞれの事業者が抱える課題を共有したということです。
国土交通省は、近く専門家などを交えた検討会を設置し、設備の老朽化や技術者の不足など構造的な問題への対策について、本格的な検討を始めることにしています。
-- NHK NEWS WEB