去年2月、北海道の新千歳空港で日本航空の旅客機のエンジンから火が出て、緊急脱出した際に乗客3人がけがをした事故について、国の運輸安全委員会はエンジン内部に氷が付着し、異常な燃焼を起こしたことが原因だとする調査結果をまとめました。
去年2月、新千歳空港の誘導路で雪のため立往生していた日本航空のボーイング737型機の右エンジンから火が出て乗客全員が緊急脱出し、3人がけがをしました。
運輸安全委員会が公表した報告書によりますと、事故後の機体の調査で左右のエンジンの内部に氷が付着し、右側のエンジンの排気管には少量のオイルと燃えたあとの「すす」が残っていたということです。
このため、急激な天候の悪化でエンジン内部に氷が付着して異常な燃焼が起き、漏れ出たエンジンオイルに火がついたことが原因だと結論づけています。
また、事故直後、多くの乗客が荷物を持って脱出しようとしたため、乗務員が脱出口で荷物を受け取り操縦室の扉の前に積み上げざるを得ず、パイロットが外に出られなくなり、避難誘導に支障が出たと指摘しています。
日本航空は事故のあと、緊急脱出の際はシューターの破損などを防ぐため、荷物を持たないようより強く乗客に促すなど対応を見直したということですが、報告書は国やほかの航空会社でも緊急脱出の手順について利用者の理解を高める取り組みを進めるよう求めています。
-- NHK NEWS WEB