千葉市の自動車販売店で店長を務めてうつ病になり去年、自殺した男性について、労働基準監督署が、部下の残業を減らすため代わりに仕事を抱えたと見られ労働時間が増加したことなどがうつ病の原因だったとして、労災認定していたことがわかりました。
労災が認められたのは、大手自動車メーカー「ホンダ」の子会社、「ホンダカーズ千葉」の千葉市内にある販売店で管理職の店長を務めていた当時48歳の男性です。
千葉労働基準監督署の調べによりますと、男性はおととし3月、新しくオープンする店の店長になりましたが、部下の残業を減らすために代わりに自分で仕事を抱え自宅に仕事を持ち帰る「持ち帰り残業」も行っていたと見られ、残業は多い月で87時間に上っていたということです。
男性はうつ病を発症して出勤できなくなり、会社から解雇を通知されたあと、去年12月、自宅で自殺し、監督署は労働時間が増加したことなどがうつ病の原因だったとして、ことし6月に労災と認定しました。
遺族の代理人を務める伊藤大三朗弁護士は「男性は会社から従業員の残業を減らすよう指示され、仕事を抱え込んでいった。管理職についても企業は働きすぎを防ぐ対策を講じるべきだ」と話しています。
一方、ホンダカーズ千葉の代理人を務める弁護士は「係争中のためコメントを差し控えさせていただきます」としています。
-- NHK NEWS WEB