アメリカのトランプ大統領は、経済政策の柱として公約に掲げてきた税制改革の法案が議会で可決されたことを受けて、歴史的な減税だと成果を強調しましたが、国民の間では大企業や富裕層への減税を批判する声が多く、来年の議会の中間選挙に向けて追い風になるのか注目されます。
トランプ大統領がレーガン政権以来およそ30年ぶりの大規模な税制改革と訴える法案は20日、議会の上下両院で可決され、大統領の署名を経て成立することになりました。
法案には、法人税率を今の35%から21%に引き下げることや、個人の所得税の最高税率を39.6%から37%に引き下げることなどが盛り込まれています。
トランプ大統領は20日の演説で、アメリカの大手通信会社が法案の可決を受けて20万人余りの従業員に日本円でおよそ11万円のボーナスを支給すると発表したことを紹介したうえで「アメリカの歴史上、最も大きな税制改革だ」と述べ、今後、雇用の創出や賃金の上昇が期待されるとして成果を強調しました。
一方、野党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務は会見で「税制改革の法案は共和党を富裕層や大企業と結びつけるものだ」と述べ、財政赤字を拡大させて大企業に大幅な減税をする必要はないと批判しました。
今回の税制改革をめぐっては市場や産業界が歓迎する一方で、国民の間では批判する声が多く、来年の議会の中間選挙に向けてトランプ政権の追い風になるのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB