世界最大の国営石油会社であるサウジアラビアの「サウジアラムコ」に株式の上場を呼びかけるため、東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループは、経営トップが現地を訪れて、政府関係者らと交渉する異例の対応をとることになりました。
サウジアラビアは、国営の石油会社「サウジアラムコ」の株式を再来年までに上場して大規模な資金を調達し、投資を拡大する方針です。
「サウジアラムコ」が株式を上場した場合、時価総額は、現在、世界最大であるアメリカの「アップル」の72兆円を大幅に上回る200兆円規模に上る見通しです。
株式の上場先は、ニューヨークやロンドンの証券取引所が有力と見られる中、関係者によりますと、「日本取引所グループ」の清田瞭最高経営責任者は傘下の東京証券取引所への上場を呼びかけるため、近く、サウジアラビアを訪れて、政府関係者などとの交渉に臨むことになりました。
日本の証券取引所の経営トップが、特定の企業を誘致するためにみずから交渉に当たるのは極めて異例のことです。
東証に上場する外国企業は、1990年代の前半には120社を超えていましたが、その後の市場の低迷などで現在は7社まで減少していて、世界中の投資家が注目する「サウジアラムコ」を誘致して取り引きの活性化につなげたい考えです。
-- NHK NEWS WEB