去年、議会の決定で失職した北海道留寿都村の元村議会議員が、効力の停止を求めたことについて、最高裁判所は、5人の裁判官のうち3人の意見で元議員の申し立てを退けました。この申し立てをめぐっては、地裁で失職の効力が停止された直後に補欠選挙が行われるという異例の経緯をたどっていて、最高裁の裁判官のうち2人は「補欠選挙は無効だ」という反対意見を述べました。
北海道留寿都村の山下茂元村議会議員は、自分の経営する建設会社が村から請け負った仕事の割合をめぐって、去年、議会の決定で失職し、効力の停止を求めていました。
札幌地方裁判所は、失職の効力を停止しましたが、その3日後に補欠選挙が行われ、別の候補者が当選するという異例の経緯をたどり、札幌高等裁判所も効力を停止したのに対して、村が抗告していました。
これについて、最高裁判所第3小法廷は、5人の裁判官のうち3人の多数意見で「元議員は補欠選挙が無効だという別の申し立てを行うことができたのに実行せず、補欠選挙の効力を争うことはできなくなった」として申し立てを退けました。
一方、岡部喜代子裁判長など2人の裁判官は「補欠選挙は無効だ」という反対意見を述べ、見解が分かれました。
-- NHK NEWS WEB