日産自動車が車の出荷前の検査で不正を繰り返していた問題で、国土交通省は22日、一連の問題では初めて本社に立ち入り検査に入りました。幹部への聞き取りなどを行い、不正の背景にあるとされる会社側の構造的な問題について確認を進めることにしています。
横浜市にある日産自動車の本社では午前10時ごろ、国土交通省の職員8人が中に入り、一連の問題では初めて本社への立ち入り検査を始めました。
日産では車の出荷前の検査を資格のない従業員が行い、書類には資格を持つ検査員の印鑑を押すなど検査をめぐる不正が次々と明らかになりました。
社内調査では工場の運営を現場任せにしていたことや社内監査の形骸化など、不正の背景に経営層の認識の甘さや組織風土の問題点があると指摘されています。
このため、立ち入り検査では日産の幹部から聞き取りを行ったり関係書類の提出を求めたりして、会社側の構造的な問題について確認を進め、日産に対する処分を検討することにしています。
また、国土交通省は専門部会を立ち上げて検査制度の見直しの検討を進めていて、国によるチェックの強化などを盛り込んだ見直し案を今年度中に取りまとめる方針です。
-- NHK NEWS WEB