イギリスのロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者などをつとめる世界的に知られる指揮者、シャルル・デュトワ氏が女性歌手などに対し、セクハラ=性的な嫌がらせをしていたとメディアが伝え、予定されていた公演での指揮が中止になるなど影響が広がっています。
AP通信は、デュトワ氏とともに音楽活動をしていたソプラノ歌手など女性4人の証言として、デュトワ氏が1985年から2010年までの間、控え室やエレベーターの中などで女性たちに対し、セクハラ=性的な嫌がらせを繰り返していたと伝えました。女性たちは、音楽界で力のあるデュトワ氏をおそれて訴えてこなかったとしています。
デュトワ氏は、カナダのモントリオール交響楽団やアメリカのフィラデルフィア管弦楽団などで音楽監督や首席指揮者を歴任し、現在は、イギリスのロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者や、NHK交響楽団の名誉音楽監督をつとめています。
報道に対しデュトワ氏はコメントしていませんが、ニューヨーク・フィルハーモニックやシカゴ交響楽団など、近く予定されている複数の公演での指揮が中止になると伝えられていて、影響が広がっています。
NHK交響楽団は「大変驚き、かつ、極めて深刻に受け止めています。現在、事実関係を把握すべく、デュトワ氏のマネージメント会社等に問い合わせているところです。デュトワ氏の来年12月の定期公演への出演予定については、適切に対処していきたいと考えています」とコメントしました。
アメリカでは、ハリウッドの大物プロデューサーによるセクハラ行為が発覚して以降、政治家や俳優、ニュースキャスターなど著名人のセクハラ行為が次々に明らかになっています。
-- NHK NEWS WEB