日本と中国の金融当局は、日本企業が中国で人民元建ての債券、いわゆる「パンダ債」を発行できるようにすることで合意し、中国としては金融市場の国際化を進めていることを内外にアピールする狙いがあるものと見られます。
パンダ債は海外の企業が中国で発行する人民元建ての債券で、日本企業に対してはこれまで発行が認められていませんでした。
これについて、両国の金融当局が協議を進めた結果、日本企業も中国でパンダ債を発行できるようになり、22日、北京市内で金融庁の越智副大臣と中国・財政省の史耀斌次官が合意文書に署名しました。
パンダ債が発行できるようになれば、現地で事業を行う日本企業にとって資金調達の手段が多様化することになり、ビジネス環境の改善につながると期待されています。
このところ中国政府はEU=ヨーロッパ連合やロシアなどにもパンダ債の発行を相次いで認めていて、金融市場の国際化を進めていることを内外にアピールする狙いがあるものと見られます。
日中両国は2011年の首脳会談で、お互いの金融市場の発展に協力することで合意していましたが、その後、具体的な協力は進んでおらず、今回の合意は日中関係の改善も背景にあるものと見られます。
-- NHK NEWS WEB