アメリカを襲ったハリケーンや大規模な山火事など、地球温暖化の影響による異常気象と見られる災害が世界中で相次いだことから、世界の自然災害などによることし1年間の経済的な損失は、前の年に比べて60%余り増えて日本円で35兆円近くに達したという分析がまとまりました。
スイスのチューリヒに本拠を置く世界的な大手再保険会社「スイス・リー」の発表によりますと、ことし1年間に世界各地で起きた自然災害などによる経済的な損失は3060億ドル(およそ34兆7000億円)と、前の年に比べて60%余り増加しました。
損失額が増加した主な要因としては、アメリカ南部やカリブ海で大きな被害をもたらした勢力の強い3つのハリケーンや、アメリカ西部 カリフォルニア州で発生した大規模な山火事、それに、メキシコ中部で発生した地震が影響したとしています。
一方、災害による死者や行方不明者は1万1000人余りと、前の年と同じ水準にとどまりました。
また、保険で補償される災害による損失の推定額は、全世界で1360億ドル(およそ15兆4000億円)に上り、スイス・リーは「ここ10年の平均をかなり上回っていて、統計を始めた1970年以降で3番目に高い数字だ」としています。
-- NHK NEWS WEB