原子力発電所から出るいわゆる「核のごみ」の説明会へ学生を動員していた問題で、「NUMO=原子力発電環境整備機構」が設置した調査チームによる結果が公表され、NUMOの職員が、東京電力のグループ会社の社員に対し、説明会への参加を呼びかけるメールを送っていたことが明らかになりました。
全国各地で行われている「核のごみ」の処分についての説明会では、主催するNUMOから委託を受けた会社が、大学生に謝礼などを約束して参加を依頼したことやNUMOが電力会社に動員を働きかけた疑いがあることが明らかになり、NUMOが設けた調査チームが、27日結果を公表しました。
それによりますと、ことし10月NUMOの職員が、東京電力のグループ会社などの社員11人に対し、「出席や周知をお願いします」などと説明会への参加を呼びかけるメールを送っていたということです。
これについて調査チームは、職員は、動員を要請する意図は無かったが、送られたメールには、動員を要請したと判断してもやむをえない表現があり、不適切だったとしています。
一方委託先の会社などによる学生の動員については、少なくとも去年7月からことし6月までに開かれた核のごみの処分に関するシンポジウムなどで、合わせて79人の学生に謝礼などを約束して参加を依頼し、このうち2人に対し、1人当たり5000円の現金を支払っていたことが、新たにわかりました。
記者会見したNUMOの近藤駿介理事長は、「公正性に疑念を生じさせる参加者の募集が行われ、組織や原子力事業への国民の信頼を損ねたことを深くおわび申し上げます」と陳謝しました。
NUMOは、説明会の在り方を抜本的に見直すことにしていて、今年度中に終える予定だった説明会は、数か月間中断されることになりました。
-- NHK NEWS WEB