おもちゃや家電製品に広く使われているボタン電池を子どもが誤って飲み込む事故は5年間で939件に上り、このうち食道に穴が開くなど重症のケースも15件あったことが、業界団体が行った初めての全国調査でわかりました。
調査はボタン電池を子どもが誤飲する事故が相次いでいることを受け、国内の電池メーカーで作る社団法人「電池工業会」と東京慈恵会医科大学が初めて行いました。
子どもの救急外来がある全国202の病院にアンケートを郵送し、57%にあたる116の施設から回答がありました。
その結果、平成23年からおととしまでの5年間に、ボタン電池を子どもが誤飲した事故は939件あったことがわかりました。このうち食道に電池が引っかかり電流が流れることで、組織が破壊され食道に穴が開くなど重症のケースも15件ありました。
重症となったのはいずれもボタン電池の中でもコイン型とよばれる一回り大きな電池で、食道に引っかかりやすく電圧も高いため、特に注意が必要だということです。
調査を行った東京慈恵会医科大学の小児外科医の大橋伸介さんは「事故の件数は予想以上に多く早急な対策が必要だ」と指摘したうえで、「2時間ほどで深い傷になりかねず、飲み込んだ可能性がある場合、すぐ大きな病院を受診してほしい」と話しています。
電池工業会では、電池のパッケージを子どもが開けにくい構造に変える取り組みを進めているほか、飲み込んでも電流が流れにくい電池の開発も進めたいとしています。
-- NHK NEWS WEB