29年前、横浜市で2人を殺害し現金を奪ったとして、強盗殺人の罪で死刑判決が確定した83歳の死刑囚が、被害者の傷の新たな鑑定などから「真犯人が別にいる可能性が出てきた」と主張して、横浜地方裁判所に再審・裁判のやり直しを申し立てました。
昭和63年、横浜市鶴見区の金融会社の事務所で、経営者の65歳の男性と60歳の内縁の妻が殺害された事件では、この金融会社から金を借りていた高橋和利死刑囚(83)が、2人を殺害して現金1200万円を奪ったとして強盗殺人の罪に問われ、平成18年に死刑判決が確定しました。
その後、再審・裁判のやり直しを申し立てましたが棄却され、東京高等裁判所で審理が続いていましたが、弁護団は27日、改めて横浜地方裁判所に再審の申し立てを行いました。
弁護団によりますと、被害者の傷の新たな鑑定で、判決で凶器とされたバールやドライバーとは異なる可能性が出てきたことや、被害者の会社から多額の借金をしていた別の人物が確認され、「真犯人が別にいる可能性が出てきた」などと主張しています。
弁護団長の大河内秀明弁護士は「犯人ではないと確信しています。高齢で体も弱っているので、裁判所にはしっかり審理に取り組んでもらいたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB