働き方改革が多くの企業の課題となる中、日本の電機メーカー各社は、スマートフォンを使って社員の健康管理や業務の効率化ができるアプリの開発に力を入れています。
このうち、「日立製作所」は企業向けに社員の健康管理に使うアプリの開発を進めていて、新年度(平成30年度)中の実用化を目指して社内での実験を行っています。
このアプリでは、カメラで顔を撮影して血流や脈拍数をもとに、精神的なストレスの度合いを計測するほか、飲んだお酒の量や二日酔いになった経験を入力していくと、その人が翌日、二日酔いになる酒の量を分析して表示します。また、これらのデータは部署ごとにまとめて管理部門に送られ、部署全体の健康管理の状況などを把握できます。
開発を担当する石井智之主任技師は、「隙間の時間に気軽に使えるようにスマホを選んだ。組織の健康状態を測るために使ってほしい」と話しています。
一方、東芝の子会社が開発を進めているのは、スマホを通じて、さまざまなデータを音声で簡単に入力できるアプリです。このアプリを試験的に使っているネット通販関連の会社では、衣料品や日用雑貨などの大きさを測り、データをパソコンで入力する作業に時間がかかっていたということです。
このアプリを使うと、測定した寸法などをマイクに向かって話すだけでデータを入力できるため、生産性の向上や労働時間の削減が期待できるということです。
東芝デジタルソリューションズの三重野芳典主任は、「音声や画像の技術を活用して各業界の働き方改革を支援していきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB