アメリカのハリウッドで去年、大物プロデューサーによるセクハラが大きな社会問題になったことを受けて、女優などで作るグループが、弱い立場にある女性がセクハラの被害を訴える際の費用を支援する活動に乗り出しました。
この活動は、ハリウッドで活躍する女優や作家、それにディレクターなど300人を超える人たちが始めたもので、「もう終わりにしよう」を意味する「Time’sUp」と名付けられました。
このグループはインターネットにホームページを設けて、1日、女性たちに向けた手紙を掲載し、「男性が独占する職場に溶け込んだり、昇進したり、認めてもらったりするために女性がもがき苦しむのは終わりにしましょう」と記して男性優位の空間で起きるセクハラの撲滅を呼びかけました。
グループは、新たに設けた基金を活用してレストランやホテルなどで働く弱い立場にある女性がセクハラの被害を訴える際の弁護士費用を支援するほか、セクハラを黙認する企業に罰則を科す法律の制定を働きかけるなどの活動を展開する計画です。
アメリカのメディアによりますと、基金には、多くのヒット映画で知られるスピルバーグ監督なども寄付を行い、すでに日本円にして14億円余りが集まっているということで、アメリカ社会に影を落としたセクハラをめぐる問題が転機を迎えるのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB