ことしのアメリカ経済は、力強い雇用情勢を背景に拡大が続く見通しですが、株や不動産など資産価格が上昇しており、景気の過熱を懸念する声も出ていて、世界経済の行方を判断するうえで重要な要素になりそうです。
去年のアメリカ経済は、失業率が17年ぶりの低い水準に改善したほか、個人消費も伸び、GDP=国内総生産は、トランプ政権が目標に掲げた3%の成長を2期連続で達成するなど、好調を維持しています。
ことしも力強い雇用情勢に加えて、トランプ政権が先月成立させた税制改革によって法人税が大幅に引き下げられることなどから、企業が国内投資を増やし経済の拡大が続く見通しです。
ただ最高値を更新し続ける株や、不動産など資産価格は上昇を続けており、市場関係者の間では景気の過熱を懸念する声も出ています。
アメリカの中央銀行、FRB=連邦準備制度理事会はことし3回の利上げを行い、緩やかに金融を引き締めたい考えですが、景気の過熱が鮮明になれば利上げのペースを速めることも予想され、リーマンショックの後から続く景気の拡大が曲がり角を迎える可能性もあります。
さらにトランプ政権が、見直し交渉の難航を受けてNAFTA=北米自由貿易協定から離脱するのではないかという懸念も強まっていて、アメリカの経済や通商政策の動向が世界経済の行方を判断するうえで重要な要素になりそうです。
-- NHK NEWS WEB