香港船籍の船舶が北朝鮮の船舶に公海上で石油精製品を提供していた問題で、台湾の検察は、香港船籍の船舶を借りていた台湾企業のトップが、仲介人の依頼で売ったと話していることを明らかにしました。この仲介人は中国籍の男だという情報もあり、台湾当局が詳しく調べています。
韓国政府は、香港船籍の「ライトハウスウィンモア」が去年10月、東シナ海の公海上で、北朝鮮の船舶に対し、国連安全保障理事会の制裁決議で北朝鮮への輸出が厳しく規制されている、石油精製品を提供したとして調べていることを明らかにし、この船を借り上げたのは台湾にある「ビリオンズバンカーグループ」だとしています。
この企業はマーシャル諸島に登記されていて、台湾の検察はNHKの取材に対し、台湾南部・高雄にある50代の男性が経営する企業だと明らかにしました。
また、検察が2日、男性から事情を聞いたところ、「仲介人から紹介された仕事だった。誰に製品を売るのかは知らなかった」と話しているということです。この仲介人について、台湾メディアは中国籍の男だと伝えていて、台湾当局が詳しく調べています。
台湾の交通部によりますと、問題の香港船籍の船舶は去年9月1日、中国、遼寧省の港から高雄の港に入り、4日後に韓国のヨス(麗水)に向けて出港したということで、その後、ヨスで積み込んだ石油精製品を北朝鮮の船舶に提供したと見られています。
-- NHK NEWS WEB