地方でも深刻化する人手不足に対応しようと、すべての正社員を対象に所定の勤務時間を柔軟に短縮できる仕組みを導入する広島市の広島電鉄は、正社員の労働時間が減る分をカバーするため、定年退職した人の再雇用制度を70歳まで拡充する方針です。
広島市などで路面電車やバスを運行している広島電鉄は、来年度前半にも運転士や車掌など1600人余りいるすべての正社員を対象に、現在は週40時間としている正社員の所定勤務を柔軟に短縮できる仕組みを導入することで労使が大筋で合意しました。短時間勤務にする理由は問わないこととし、子育てや介護に限らず活用できるうえ希望すればフルタイムの正社員に戻ることも可能にします。
さらに、新たな仕組みの導入で正社員の労働時間が減る分をカバーするため、定年退職した人などを非正規で再雇用する制度の対象を現在の65歳までから70歳までに拡充する方針です。この中では、定年前と同じように会社の負担で健康診断だけでなく人間ドックも受けられるようにするなど、健康に配慮するとしています。
広島電鉄では短時間勤務の正社員や再雇用した社員など、多様な働き方を実現することで地方でも深刻化する人手不足に対応し、働く人を確保していく狙いがあります。
-- NHK NEWS WEB