去年、日本の企業が関わった買収や出資の件数は、海外企業の買収が増えたことなどから3000件を超え、これまでで最も多くなりました。
企業買収の仲介や助言を行う「レコフ」のまとめによりますと、去年1年間で日本企業が関わった買収や出資の件数は、おととしよりおよそ400件増えて3050件に上り、これまでで最も多くなりました。
大型の案件としては、「武田薬品工業」がおよそ6200億円を投じたアメリカの製薬会社「アリアド・ファーマシューティカルズ」の買収や、「ソフトバンクグループ」がおよそ5500億円を投じた中国の配車アプリ大手「ディーディー」への出資などがあります。
買収や出資の件数が過去最多となった背景には、海外企業を買収するなどして新たな市場へ進出する動きが活発だったことや、AI=人工知能などの先端技術を取り込もうとベンチャー企業への投資が増えたこと。それに後継者がいない中小企業から事業を買い取るといった、「事業承継」の案件が増えたことなどがあります。
一方、全体としては小型の案件が多かったことから、買収などに投じられた金額はおととしより3兆円余り、率にして21%減り、合わせて13兆3000億円でした。
調査を行った会社は「人口減少で国内市場の縮小が懸念される中、日本企業が新たな市場に成長を求めようと海外企業を買収する動きはことしも相次ぐだろう」と話しています。
-- NHK NEWS WEB