韓国の国政の混乱につながった一連の事件をめぐり、パク・クネ(朴槿恵)大統領の長年の知人チェ・スンシル(崔順実)被告らに対する初公判が、19日、ソウルの裁判所で開かれます。検察が、パク大統領はチェ被告らと共謀関係にあったとしているのに対し、大統領側は否定しており、裁判では、大統領の事件との関わりが大きな焦点になりそうです。
19日の初公判は、チェ・スンシル被告、それに、大統領府の、前政策調整首席秘書官アン・ジョンボム(安鍾範)被告と前秘書官チョン・ホソン被告の合わせて3人に対するもので、午後、ソウル中央地方裁判所で開かれます。
チェ被告ら本人が出廷するのかは明らかになっていません。
起訴状によりますと、チェ被告は、パク大統領の求めで大統領府が設立に関与した2つの財団の運営に関わり、アン被告とともに、多くの企業に日本円にして合わせておよそ76億円の資金を財団に拠出させたとして、職権乱用や強要の罪などに問われています。
一方、チョン被告は、パク大統領の指示を受けて、公務上の秘密にあたる内部資料47件をチェ被告に渡したとして、公務上の秘密を漏えいした罪に問われています。
起訴状によりますと、パク大統領は去年7月に複数の財閥企業のトップらと相次いで個別に会談し、「文化やスポーツの振興のために財団を設立するので積極的に協力してほしい」と呼びかけました。
こうしたことから、検察は、パク大統領が、チェ被告らと「相当な部分で共謀関係にあった」という判断を示しました。
一方、大統領側は「全く認められない」と否定しています。
大統領の職務停止という韓国の国政の混乱につながった一連の事件の裁判では、大統領の事件との関わりについてチェ被告らがどのような証言をするかが大きな焦点になりそうです。
-- NHK NEWS WEB