政府は、来年度予算案の今月22日の閣議決定に向け、19日、麻生副総理兼財務大臣と各大臣による閣僚折衝を行い人手が不足している保育士や介護職員の賃金の引き上げや、返済の必要がない「給付型奨学金」の創設などについて最終的な調整を行うことにしています。
最終盤を迎えている来年度予算案の編成作業は、19日午後から麻生副総理兼財務大臣と各大臣が個別の予算項目について、閣僚折衝を行います。
このうち、塩崎厚生労働大臣とは、来年4月の消費税率の引き上げを再延期することで財源の確保が課題となっている年金や子育てなどの「社会保障の充実策」について調整します。
具体的には、年金の受給資格を得るための加入期間を25年から10年に短縮することで必要となる予算や、待機児童の解消に向けて保育の受け皿を50万人分に拡大するため施設の運営費の支援策について協議します。
このほか、人手不足が深刻な介護職員の処遇を改善するため平均で月額1万円程度の賃金引き上げの費用などについても協議します。
また、加藤一億総活躍担当大臣との折衝では、保育士とほかの業種との間の賃金格差を縮めて人材確保につなげようと、2%程度の賃金の引き上げについて協議します。
さらに、松野文部科学大臣とは、所得の低い世帯の大学進学などを支援するため返済のいらない「給付型奨学金」の創設について協議します。
そして高市総務大臣とは、予算編成で焦点の1つになっている地方交付税の上積みについて最終的な調整を行います。
政府は、来年度予算案の一般会計の総額を過去最大となる97兆円台とする方向で調整を進めていて、19日の閣僚折衝を経て予算案を固め、今月22日に閣議決定することにしています。
-- NHK NEWS WEB