アメリカのIT企業アップルは、中国国内の顧客を対象にしたネット上に写真などを保存するサービスの提供を、内陸部・貴州省のデータセンターで始めると明らかにし、保存されたデータが中国当局に提供されることを懸念する声も出ています。
アップルは、中国国内の顧客を対象にした「iCloud」と呼ばれるネット上に写真などを保存するサービスを、来月28日から貴州省のデータセンターで始めると、9日明らかにしました。
中国では、インターネット関連の企業に対し、収集したデータの国外への持ち出しを規制しているほか、犯罪の疑いがあれば当局に情報を提供することを義務づけるなど、インターネットを厳しく管理しています。
これに対しアップルは、中国の規制には従うとしています。
一方中国のインターネット上では「情報が漏れてしまう」とか「安心できない」といった書き込みが相次ぎ、保存されたデータが当局に提供されるのではないかといった懸念の声も上がっています。
巨大市場でビジネスを行おうと、ほかの欧米のIT大手も中国国内にデータの保管先を移すことを検討する動きが出ていますが、中国で活動する海外企業からは、ネット規制の強化は企業活動に影響を与えかねないという強い懸念も出ています。
-- NHK NEWS WEB