人工衛星を活用したサービスの需要の拡大が見込まれる中、NECは、日本の電機メーカーで初めて、人工衛星を運行する事業に乗り出すことになり、東京都内に開設した運行施設を10日、報道機関に公開しました。
NECが開設したのは衛星オペレーションセンターと呼ばれる施設で、社員が人工衛星の軌道修正や地球の撮影などを行います。日本では、人工衛星の運行管理は、国の機関であるJAXA=宇宙航空研究開発機構が担い、NECは、主に衛星の製造を行ってきました。
しかし、去年施行された法律で地球観測衛星からのデータを民間企業も扱うことができるようになったこと、それに人工衛星を活用したサービスの需要の拡大が見込まれることから、NECは日本の電機メーカーで初めて、衛星の運行を手がけることにしました。
まずは、今月、JAXAが打ち上げる予定の小型の地球観測衛星、「ASNARO(あすなろ)」の2号機の運行を手がけるということです。
人工衛星で観測した画像や気象のデータを防災や農業などに生かすサービスは、市場の拡大が期待されていて、NECは観測したデータの販売も行い宇宙事業を強化する方針です。
NECのナショナルセキュリティ・ソリューション事業部の永野博之事業部長は「モノを作って納入することを仕事としてきたが、これからは衛星の運用やデータをビジネスにつなげていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB