成人の日に横浜市の会社から振り袖が届かず晴れ着を着られない新成人が相次いだ問題で、来年の成人式に向けてこの会社から振り袖を購入し、返却されないままになっている神奈川県の19歳の女性がNHKの取材に応じ、「返してほしい。会社はどうしてこうなったのか、きちんと説明と謝罪をしてほしい」と話しました。
神奈川県横須賀市に住む19歳の女性は、来年の成人式のために「はれのひ」から購入し、預けていた振り袖と帯が戻らなくなっています。
おととしの12月ごろ、「はれのひ」から実家に「今、買わないといい着物がなくなってしまう」という内容の電話がかかり、女性は翌月、家族と一緒に、当時、横須賀市内にあった「はれのひ」の店舗で、振り袖や帯、バッグなど一式を購入しました。およそ40万円の代金は父親が支払い、女性の携帯電話には、購入の際の契約書の写真が残されています。
去年4月には、同じ店で、購入した振り袖を着て写真を撮る「前撮り」を行い、店から「無料でクリーニングを行う」と言われたため振り袖と帯を預けましたが、約束どおり送られてこないため、先月父親が電話したということです。会社からは「すぐに送ります」と返事がありましたが、来年の成人式まで預かってほしいと伝え、今回の問題を受けて改めて電話したところ連絡がつかないということです。
女性は、振り袖を購入したときのことについて、「友達と一緒に祝う思い出になるものなので、楽しみに選びました。父親は『一生に一度のもので、手元に残ったほうがいい』と嫌な顔をせずに払ってくれました。父親に申し訳ない気持ちです」と話しています。
女性は、ツイッターに前撮りの写真を掲載し、転売されているのを見かけたら連絡してほしいと呼びかけています。
今の心境について「自分で選んだ振り袖を着て成人式に出たかったです。まずは返してほしい。無理ならば、お金だけでも返してほしい。会社にはどうしてこうなったのか、きちんと説明と謝罪をしてもらいたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB