自動運転の実用化に向けて東京 杉並区で、人や車の通行量が比較的多い市街地を自動で走行させる実証実験が行われました。
この実証実験は、杉並区や自動運転の技術開発に取り組む民間企業、それに東京大学などが共同で行ったものです。
車の上部には特殊なセンサーがあって人や障害物を検知できるほか、運転席の前に取り付けられたカメラで信号の色を識別でき、あらかじめ設定されたルートを自動で走行することができます。
11日は、区立公園の周囲およそ1キロの区間を時速20キロ程度の速さで走行し、田中良区長も試乗して技術の進み具体を確かめていました。
杉並区では、区内全域の町並みや道路を再現した3次元の地図を作成していて、こうしたデータも活用することで、数センチ程度の誤差で自動での運転を可能にしているということです。
試乗を終えた田中区長は「機械的なブレーキのかかり方といった課題も感じたが、幅広い可能性のある自動運転の技術の発展を期待したい」と話していました。
東京大学の加藤真平准教授は「人の運転に比べれば技術的な質は落ちるものの、企業にとってみれば人件費が抑えられるといったメリットがあり、自動運転と人の運転の使い分けをうまくやっていくことが必要になってくると思う」と話していました。
杉並区などは今後、さらに人通りの多いJR荻窪駅周辺でも実証実験を行う予定です。
-- NHK NEWS WEB