国語辞典の「広辞苑」が10年ぶりに改訂され12日に発売されました。「スマホ」や「廃炉」、「ブラック企業」など、およそ1万項目が新たに収録されています。
広辞苑は、岩波書店が昭和30年に刊行を始めた国語辞典で、これまでの第六版を10年ぶりに改訂した第七版が12日に発売されました。東京・神田神保町の書店では、店内の入り口近くに積み重ねられて販売され、開店後、早速買い求める人たちの姿が見られました。
今回の広辞苑には、およそ25万の言葉や人名などが収録され、このうちおよそ1万項目が新たに加わりました。「婚活」や「ブラック企業」など社会に定着した新しい言葉や、「がっつり」や「ちゃらい」といった俗語、それに「スマホ」や「アプリ」「ツイート」など、IT機器の進歩やSNSの普及によって登場した言葉が多く収録されています。
また、東日本大震災と原発事故のあと頻繁に使われるようになった言葉として、「廃炉」や「安全神話」なども新たに加わりました。
このほか、これまでとは違う意味でも使われるようになった言葉には新たな説明が加えられ、「炎上」には「インターネット上で、記事などに対して非難や中傷が多数届くこと」、「盛る」には「さらに飾りつける。おおげさにする」という説明もつけられました。
岩波書店辞典編集部の平木靖成副部長は、「インターネット検索に比べて情報量では太刀打ちできませんが、ある言葉や事柄について、ざっくりとひと言で知りたいという時は昔から変わらずにあると思っています。広辞苑で言葉の概観をつかんでもらい、知識への入り口として使ってもらいたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB