大手精密機器メーカーのキヤノンは、医療事業を手がける東芝の子会社の買収を完了したと発表し、ヘルスケア事業を新たな収益の柱にすることを目指します。
キヤノンはことし3月、東芝の医療事業を手がける子会社、東芝メディカルシステムズのすべての株式をおよそ6655億円で取得して子会社化することを決め、いったん別の会社が株式を保有する形で買収手続きを進めていました。
発表によりますと、キヤノンは19日に開いた取締役会で、東芝メディカルシステムズのすべての株式を取得することを決議し、買収が完了したということです。
買収手続きをめぐっては、公正取引委員会が今回の手法は独占禁止法に基づく審査を意図的に遅らせたなどとして、ことし6月にキヤノンに対して注意しています。
キヤノンは中国など新興国を中心にプリンターやコンパクトカメラの需要が落ち込んでいることから、ことし12月期の業績は減収減益の見通しとなるなど、厳しい事業環境が続いています。
このため今回の買収によって、この会社が強みを持つ検査用の画像診断の機器を活用しながら、ヘルスケア事業を新たな収益の柱にすることを目指します。
-- NHK NEWS WEB