経団連の榊原会長と中川環境大臣が16日に会談し、地球温暖化対策の推進に向けて、日本企業が進めている石炭火力発電の海外展開をめぐって意見を交わしました。
この中で、中川環境大臣は日本企業が進めている石炭火力発電の輸出について「世界ではビジネスも政治も確実に脱石炭に傾いており、日本が石炭火力発電を輸出する姿勢そのものが世界から厳しい目で見られている。日本企業も脱石炭にかじを切らなければ資金調達が困難になり、グローバルなサプライチェーンから外されるおそれもあるので危機感を共有したい」と述べ、今後、見直す必要があるのではないかという認識を示しました。
これに対して、経団連の榊原会長は「石炭火力については重要な課題だと認識している」と述べるにとどまりました。
また、経団連側からは「高効率で省エネに優れた日本の石炭火力発電を途上国に輸出することは、地球規模での温暖化対策に貢献できる」とか「エネルギー分野の人材や技術を確保するうえでもまだ必要ではないか」などと、一定の必要性はあるという意見が出されました。
中川環境大臣は会談のあと、記者団に対し「経済界の意見は受け止めなければならないが、環境先進国として進んでいこうという姿勢については共有できたと思う」と述べ、引き続き経済界と議論を続けていく考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB