千葉県の成田空港で去年11月から先月にかけて衣服や荷物などに覚醒剤を隠し、密輸しようとしたとしてタイ人の女13人が相次いで摘発されていたことが日本とタイの捜査当局への取材でわかりました。捜査当局は、急増するタイ人観光客を使って小分けにした覚醒剤を短期間に集中的に運ぶ「ショットガン方式」と呼ばれる手口を使った組織的な密輸事件と見て水際での取締りを強化しています。
成田空港では、去年11月から先月までの3週間に、日本に入国した20代から50代のタイ人の女13人が覚醒剤を密輸しようとした疑いで相次いで摘発され、16日までに覚醒剤取締法違反などの罪で起訴されました。
押収された覚醒剤は合わせて13.9キロで、国内の末端の密売価格にしておよそ8億9000万円相当に上るということです。
女らはいずれも、3キロから数百グラム程度の覚醒剤を衣服や荷物などに隠し持っていたということで、捜査当局では覚醒剤の「運搬役」と見ています。また、このうち女2人は日本向けの格安ツアーの団体客に紛れて覚醒剤を密輸しようとしていたということです。
日本政府観光局によりますと日本を訪れたタイ人観光客は、去年1年間に98万7000人余りと、入国ビザの免除やLCC=格安航空会社の相次ぐ参入などで過去最高を更新しました。
捜査当局は、急増するタイ人観光客をつかって小分けにした覚醒剤を短期間に集中的に運ぶ「ショットガン方式」と呼ばれる手口を使った組織的な密輸事件と見て入手ルートを捜査するとともに水際での取締りを強化しています。
東京のタイ大使館は日本を訪れるタイ人の旅行者が覚醒剤の密輸で相次いで摘発されているとして、荷物などの運搬を依頼されるなどした際は中身を確認するよう呼びかけています。
-- NHK NEWS WEB