韓国の国政の混乱につながった一連の事件をめぐり、職権乱用などの罪に問われているパク・クネ(朴槿恵)大統領の長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告らの初公判がソウルの裁判所で開かれ、チェ被告は、起訴された内容を全面的に否認しパク大統領と共謀関係もないと主張しました。
パク・クネ大統領の長年の知人、チェ・スンシル被告は、パク大統領の求めで、大統領府が設立に関与した2つの財団の運営に関わり、大統領府の前の政策調整首席秘書官、アン・ジョンボム(安鍾範)被告とともに、多くの企業に日本円にして合わせておよそ76億円の資金を財団に拠出させたとして、職権乱用や強要の罪などに問われています。
19日、ソウル中央地方裁判所で開かれた初公判で、チェ被告の弁護士は、起訴された内容について、「すべて認められない」と述べ全面的に争う姿勢を示しました。
焦点となっているパク大統領と共謀関係にあったかどうかについて、弁護士は、パク大統領ともアン被告とも共謀した事実はないと主張しました。
また、アン被告の弁護士も、企業からの財団への資金について「大統領の言葉を経済団体に伝えただけだ」と述べ、同じく大統領との共謀はなかったと主張して起訴された内容を否認しました。
一方で、パク大統領の指示を受けて、公務上の秘密にあたる内部資料47件をチェ被告に渡したとして、公務上の秘密を漏えいした罪に問われている、大統領府の前の秘書官、チョン・ホソン被告の弁護士は、「起訴された内容を認める」と述べ、大統領との共謀についても「大筋で認める」と述べました。
-- NHK NEWS WEB